インフィニティ・ガントレット - オンラインパズル
インフィニティ・ガントレット
『インフィニティ・ガントレット』 (The Infinity Gauntlet)とは、1991年12月よりマーベル・コミックスから出版された全6号のリミテッド・シリーズであり、同作に登場する架空の道具の名称でもある。原作はジム・スターリン、作画はジョージ・ペレスとロン・リム。本作は同名のクロスオーバー・イベントの中核であり、プロット要素のいくつかは他誌のタイイン号でも扱われた。初出のコミックブック以外にも数多くの形式で再版が行われている。
異星人の虚無主義者サノスが6個の「インフィニティ・ジェム」を集め、自らのガントレットにはめ込んだところで本作は幕を開ける。すべてのジェムのパワーを手にしたことで神同然の地位に昇ったサノスは、死が具現化した存在であるミストレス・デスの愛を勝ち取ろうとする。サノスはそのパワーをもって全宇宙の生命体の半数に死をもたらし、アダム・ウォーロックは生き残った地球のヒーローを糾合して戦いを挑む。その後、「インフィニティ・ガントレット」がサノスの孫娘ネビュラの手に落ちると、サノスはヒーロー側について奪還を試みる。最終的にガントレットを手にしたのはウォーロックであった。サノスが引き起こした死と破壊はガントレットのパワーで修復された。
本作のルーツは1970年代にさかのぼる。当時マーベル社で原作と作画を兼務していたスターリンは、作品中でサノスやインフィニティ・ジェムといったアイディアを展開していた。スターリンは1990年に『シルバーサーファー』第3シリーズ第34号から同誌の原作者に就任し、ペンシラーのリムとともに16号にわたって執筆をつづけた。そのストーリーは全2号のサイドシリーズ『サノス・クエスト』に発展し、そして本作『インフィニティ・ガントレット』に結実した。本作の作画は第4号まで人気作家ペレスが担当したが、ペレスがスケジュール的な問題を抱えており、ストーリーにも不満があったことでリムに交代した。
本作はマーベル社のトップセラーとなり、直後に続編『インフィニティ・ウォー (Infinity War)』(1992年)および『インフィニティ・クルセイド (Infinity Crusade)』(1993年)が作られた。本作の出来事はマーベル社の作中世界で大きな事件となっており、初出から三十年近く経ってなお言及されることがある。ファンの間での人気も依然として高く、再版本や関連商品の発売が断続的に続いている。本作の題材やプロットはビデオゲーム、アニメシリーズで何度も再利用されており、2018年の映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』にも本作の内容が取り入れられている。